研究概要 |
磁場勾配下での微粒子泳動現象である磁気泳動法を用いて,単一マイクロ微粒子の電子スピン共鳴の検出を試みた。主に平板平行回路を用いて 0.1-20 GHz のマイクロ波を磁気泳動中の塩化マンガン水溶液の液滴に照射し,その泳動速度変化を顕微鏡で観測した。その結果,磁気共鳴条件を満たす位置において,僅かながら磁気泳動速度が減少した。この速度低下は,共鳴条件下によってのみ観測され,電子スピン共鳴によるマンガンの常磁性磁化率が変化したためであると考えられる。しかしながら,速度低下する範囲は予想よりブロードであったため,マイクロ波出力の空間分布や,液滴のサイズ依存性など,より詳細な検討が必要である。
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