研究概要 |
両親媒性高分子は水中でミセルなどの自己集合体を形成することが知られており,DDS等の薬物キャリアとして期待されている。本研究では,疎水性メソゲン基と親水性ポリエチレングリコール鎖とをポリメチルシロキサンの側鎖に導入することにより, 室温付近で液晶性を示す新規な両親媒性液晶高分子を合成し,水中における高分子ミセル形成を検討した。その結果,合成した両親媒性高分子はメソゲン基含有率に依存して室温付近で液晶状態となることがわかった。さらに水中でサイズが200nm程度の高分子ミセルを形成し,その臨界ミセル濃度(CMC)が液晶-等方相転移に大きく影響されることが明らかとなった。このような液晶高分子ミセルに薬物を含有させ,温度変化による相転移を利用した薬物放出制御も試みた。
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