研究課題/領域番号 |
23655211
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高分子・繊維材料
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
前田 寧 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60242484)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ラマン分光 / 近接場 / 表面プラズモン / ラマン分光法 |
研究概要 |
金属表面に励起される表面プラズモンの近接場効果とラマン散乱増強効果を利用して、回折限界を超える空間分解能と単一分子レベルの感度を併せ持つラマン分光システムを開発を試みた。具体的には、走査型トンネル顕微鏡-ラマン分光光度計(STM-Raman)および原子間力顕微鏡-ラマン分光光度計(AFM-Raman)の試作を行った。励起光としてグリーンレーザ(532nm)を用い、長作動距離対物レンズ(×50)で探針の先端に集光した。放出されたラマン散乱光は同じ対物レンズで集光し、ダイクロイックミラーとロングパスフィルターを使って励起光を除去した後に光ファイバーを通して分光器に導入し、電子冷却CCD検出器で検出した。STMの探針として電解研磨した銀線を用い、その先端に誘起される表面プラズモンによるラマン散乱の増強と近接場効果を解析した。銀や金の表面に吸着されたローダミンBやベンゼンチオールを試料として用い、試料-探針間の距離とラマン散乱強度の関係を調査した。探針を1nm退避させるだけでラマン散乱の強度が急激に低下した。このことは、探針表面に励起される表面プラズモンの伝播範囲が1nm以下であり、それにより増強されるラマン散乱光の強度が、レーザ光の広がりにより先端以外の場所から放出されるラマン散乱光の強度を大幅に上回っていることを意味している。このため表面増強近接場ラマン分光法では、STMやAFMに匹敵する空間分解能でラマンスペクトルを観測することができていると考えられる。
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