研究概要 |
SiCナノ表面上のGaN成長初期過程をその場RHEEDと原子間力顕微鏡により観察し,SiC表面からのステップフローを確認した.通常SiC上では2H-GaNの核形成が生じるがテラス上において2H核は見られなかった.初期におけるステップフローはそのまま50nm程度の膜厚まで継続し,新しい成長モードのGaN薄膜が成長した.この膜の物性をラマン分光およびフォトルミネッセンス(PL)測定により評価した.ラマンではE1(TO)とE2(high)モードの間に明瞭なモードが観察され,これは新規ポリタイプの折り返しモードであると考えられた.また,PLでは2H-GaNのバンド端近傍発光(束縛励起子)エネルギーの3.46eVからレッドシフトしたエネルギー(3.33eV)に発光を観察した.これらの結果からこの新規GaN薄膜は6Hポリタイプを有していると結論された.
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