研究課題
挑戦的萌芽研究
高温超伝導体薄膜による非対称ナノブリッジと、それを並列化して特性向上を目指した整流用ダイオード素子について研究を進めた。非対称ナノブリッジは、K の形状をしたナノブリッジで、括れの部分からのみアブリコソフボルテックスがブリッジ内に進入可能なラチェット効果を示す。磁場を印加することによって、臨界電流が低減化する。高温超伝導体を用いた実験では、臨界電流の低減量は、ナノブリッジの幅が広いほど、また膜厚が厚いほど大きくなった。これは、線幅が実効的な磁場侵入長に近づくほど、括れ部分に電流が集中し、ラチェット効果が顕著になるためと解釈できる。この非対称ナノブリッジを並列接続した SQUID においては、外部磁場の増加に対し周期的な臨界電流の変調とともに、より大きな磁場領域での変調が観測された。これは、SQUID による臨界電流の低減効果とナノブリッジ単体の臨界電流低減効果が同時に観測されたことを意味する。今後は回路パラメータを最適化することによって、整流用に使えるようなダイオード素子を開発する。
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Japanese Journal of Applied Physics
巻: Vol. 51, No. 5 号: 5R ページ: 4-4
10.1143/jjap.51.053101
40019280332
http://www.super.nuqe.nagoya-u.ac.jp