研究概要 |
橋かけアルコキシドとしてビス(トリエトキシリシリル)エタン(BTESE)を用いて,有機無機ハイブリッド逆浸透膜の開発を行ない,その透過特性の評価を行った。BTESE 膜は 95%以上の脱塩率を示し,逆浸透膜として可能性を明らかとした。90℃でも安定な濾過性能を示しただけでなく,塩素に対しても良好な耐性を示した。さらに,透過機構について,供給溶液濃度,操作圧力,温度依存性を検討した。操作圧力の増加とともに,透過流束および阻止率が上昇したのに対して,塩濃度の増加とともに両者ともに低下した。一方,操作温度とともに阻止率および透過流束が向上したが,その温度依存性は水粘度の温度依存性よりも大きいことから,透過機構は粘性流れとは異なることを明らかとした。
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