研究概要 |
細胞内情報伝達の鍵酵素であるプロテインキナーゼC (PKC) は,がん,アルツハイマー病などの難治性疾患の標的酵素の一つである.本研究では,本研究代表者らが独自に開発したPKCのC1ドメインを化学合成したC1ペプチドを用いたスクリーニング系を用いて,日本産フサコケムシ抽出物から抗腫瘍性天然物bryostatin類6種を単離・同定することに成功した.Bryostatin 4, 10 ならびに14を用いた構造活性相関研究により,C20位のエステル基がPKCへの結合ならびに活性化に不要であることが明らかになった.さらに本スクリーニング系を利用して,日本産海綿約400サンプルのスクリーニングを行った結果,Theonella属海綿抽出物に,bryostatin類に匹敵する高いPKC結合活性を有する化合物の存在を見いだした.
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