硫化水素の消化管機能制御機構の解明:H2Sは内因性伝達物質か

• 研究課題/領域番号: 23658230
• 研究種目: 挑戦的萌芽研究
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 基礎獣医学・基礎畜産学
• 研究機関: 北海道大学
• 研究代表者: 乙黒 兼一 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (40344494)
• 連携研究者: 伊藤 茂男 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (40109509)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2012
• 研究課題ステータス: 完了 (2012年度)
• 配分額: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円); 2012年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円); 2011年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
• キーワード: 硫化水素 / TRPA1 / 細胞内カルシウム / RIN14B / 知覚神経 / 5-HT

研究概要

消化管機能の制御に関与する知覚神経細胞と腸管クロマフィン細胞のモデルRIN14B細胞を用い,硫化水素ドナーNaHSの作用の検討を行ったところ,硫化水素はTRPA1を活性化して細胞内Ca2+濃度を増加させ,神経の興奮及び分泌反応を生じることが明らかとなった.また神経細胞モデルPC12細胞には硫化水素合成酵素AST(aspartateaminotransferase)/MPST(mercaptopyruvatesulfurtransferase)が発現し,硫化水素を合成することが示された.腸管組織の神経系細胞は管腔内の硫化水素によって反応を引き起こすだけでなく,自ら硫化水素を合成することで消化管機能を制御している可能性が示唆された.

研究成果

• [雑誌論文] Endogenously released 5-HT inhibits A and C fiber-evoked synaptic transmission in the rat spinal cord by the facilitation of release via 5-HT2A and 5-HT3 receptors (2013)
  • 著者名/発表者名: Iwasaki T, Otsuguro K, Kobayashi T, Ohta T, Ito S
  • 雑誌名: Eur. J. Pharmacol 巻: 702 ページ: 149-157
  • 査読あり
• [雑誌論文] Endogenously released 5-HT inhibits A and C fiber-evoked synaptic transmission in the rat spinal cord by the facilitation of GABA/glycine and 5-HT release via 5-HT2A and 5-HT3 receptors. (2013)
  • 著者名/発表者名: Iwasaki Takeyuki
  • 雑誌名: European Journal of Pharmacology 巻: 702 ページ: 149-157
  • 査読あり
• [雑誌論文] Time- and concentration-dependent activation of TRPA1 by hydrogen sulfide in rat DRG neurons (2011)
  • 著者名/発表者名: Miyamoto R, Otsuguro K, Ito S
  • 雑誌名: Neurosci. Lett 巻: 499 ページ: 137-142
  • 査読あり
• [雑誌論文] Activation of TRPA1 by H2S in rat DRG neurons. (2011)
  • 著者名/発表者名: Miyamoto R, Otsuguro K, Ito S
  • 雑誌名: Neuroscience Letters 巻: 499 ページ: 137-142
  • 査読あり
• [学会発表] PC12細胞における硫化水素産生について (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮本亮
  • 学会等名: 第154回日本獣医学会学術集
  • 発表場所: 岩手大学(盛岡市)
  • 年月日: 2012-09-16
• [学会発表] 神経系細胞におけるシステインを基質とした硫化水素産生について (2012)
  • 著者名/発表者名: 宮本亮
  • 学会等名: 第26回北海道薬物作用談話会
  • 発表場所: 北海道大学(札幌市)
  • 年月日: 2012-07-28
• [学会発表] 硫化水素のRIN14B細胞の細胞内カルシウム濃度に対する作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 氏家絢子
  • 学会等名: 第153回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 大宮ソニックシティ(大宮市)
  • 年月日: 2012-03-28
• [学会発表] Increase in [Ca2+]i induced by H2S in RIN14B cells (2012)
  • 著者名/発表者名: Ayako Ujike
  • 学会等名: 第85回日本薬理学会年会
  • 発表場所: 国立京都国際会館(京都市)
  • 年月日: 2012-03-15
• [学会発表] Increase in [Ca2+]i induced by H2S in RIN14B cells (2012)
  • 著者名/発表者名: Ayako Ujike
  • 学会等名: 第85回日本薬理学会年会
  • 発表場所: 国立京都国際会館、京都市
• [学会発表] 硫化水素のRIN14B細胞の細胞内カルシウム濃度に対する作用 (2012)
  • 著者名/発表者名: 氏家絢子
  • 学会等名: 第153回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 大宮ソニックシティ、大宮市
• [学会発表] 神経系細胞におけるシステインを基質とした硫化水素産生について
  • 著者名/発表者名: 宮本亮
  • 学会等名: 第26回薬物作用談話会
  • 発表場所: 北海道大学・札幌市
• [学会発表] PC12細胞における硫化水素産生について
  • 著者名/発表者名: 宮本亮
  • 学会等名: 第154回日本獣医学会学術集会
  • 発表場所: 岩手大学・盛岡市
• [備考]
  • URL: http://www.vetmed.hokudai.ac.jp/organization/pharmacol/index.html