研究課題/領域番号 |
23659749
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川口 章 東海大学, 医学部, 教授 (30195052)
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研究分担者 |
猪口 貞樹 東海大学, 医学部, 教授 (60160008)
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連携研究者 |
加納 航治 同志社大学, 理工学部, 教授 (60038031)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 蘇生学 / 家屋火災 / 有毒ガス / 蘇生 / 外呼吸 / 内呼吸 |
研究概要 |
家屋火災では、一酸化炭素(CO)やシアン化水素(HCN)が発生し、いまだに多くの犠牲者が出ている。COは血色素と結合して外呼吸を阻害し、シアン化物イオン(CN-)は酸素代謝酵素に結合して内呼吸を阻害する。我々はCOに対してHemocyclodextrin (HemoCD)、CN-に対してはImidazolecyclodextrin (ImCD)という高親和性の全合成鉄ポルフィリンを同志社大と共同で開発し、体外実験 (in vitro) により基本的検討の後、動物実験 (in vivo) によって現行の治療法と比較し、従来なかった家屋火災時の急性ガス中毒の特異的解毒剤としての有用性を検討した。ImCD 体外(in Vitro) 実験により、用量依存性にCN-の毒性を中和することを示した[1]。大量合成に成功したため、動物実験(マウスin vivo) によって、最新の治療法(ヒドロキソコバラミンOHCbl)と同等で、従来型の治療法より優れた解毒効果を確認できた。In vivo前投与において、OHCblを上回る無呼吸抑制効果を認め[2]、in vivo後投与において、呼吸抑制の早急な回復などOHCblより強力な解毒作用を報告した[2]。HemoCD 体外(in Vitro) 実験によりCO結合能は確認できた。CO中毒に拮抗するだけの大量合成が困難なため、微量で効果を発揮する酸素運搬体としての有用性を先に検討している。この途上でCN-の親和性を持ちながら人工酸素運搬体の特性を併せ持つHemoCD3の簡易合成に成功し、その特性を報告した[3]。これらの超分子化合物は迅速に尿中に排泄されるため、そのCN-抱合率を測定することでCN-解毒のための必要量の推定がリアルタイムで可能である反面、血中滞在時間を延ばす[4]ことで人工酸素運搬体としての効果も期待される。実用化のために今後も検討が必要である。
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