研究成果の概要 |
婦人科腫瘍において最も悪性度が高く予後不良な腫瘍の一つである悪性ミューラー管腫瘍(子宮癌肉腫)の生物学的特性については依然として不明な点が多い。我々は過去に樹立したヒト子宮癌肉腫株FU-MMT-1(Emoto M. Cancer 1992)を用いて同腫瘍の癌幹細胞集団を選別した。同幹細胞集団はCD133陽性でOCT4, NANOG, SOX2, C-MYC, BMI-1を有意に発現し、同時にミューラー管遺伝子であるPAX2とWNT-4遺伝子の発現を認めた。CD133陽性FU-MMT-1細胞は高度の血管新生能を有しており、血管新生阻害療法が新たな治療戦略の一つとして有望である可能性が示唆された。
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