研究概要 |
敗血症は,救急・集中治療の対応する重症病態として知られている。敗血症は,菌やウイルスに対する全身性炎症であるが,未だに抗菌薬以外に炎症を制御する有効な治療法が確立されていない。本研究では,siRNA を投与して FADD、TAK-1 等の遺伝子転写を阻害する事により敗血症モデルマウスの生存率を改善し、これが遺伝子認識型受容体の肺,腎臓,大動脈の LC3 発現量と活性化の両者を抑制する結果である機序を明らかにすると共に,電子顕微鏡像においても敗血症病態でのオートファゴソーム形成が亢進せずに,正常化している事を見出した。遺伝子認識型受容体シグナルの抑制により、細菌感染症、ウイルス感染症、遺伝子治療に随伴する臓器炎症を軽減できる結果に繋がると考えられ、重症感染症における新規創薬を提案する意義を持つと言える。
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