研究課題
若手研究(A)
海洋酸性化が他の海域に先んじて進行している北極海カナダ海盆で、夏季の広域船舶観測を実施した。その結果、表層と中層に炭酸カルシウムに対して未飽和な海水が観測された。表層の分布は年によって異なり、塩分、水温、光合成の影響によることが分かった。中層の未飽和水については、SF6濃度を測定した結果、比較的新しい未飽和水が3つのルートで中層に入り込んでいる様子が明らかになった。また、塩分・水温・溶存酸素データから炭酸カルシウム飽和度を推定する方法を開発し北極海における炭酸カルシウム飽和度の全体マップを作成することができた。さらに、時系列採水器を設置し、北極海上層部の通年観測に初めて成功した。
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