生後三年間にわたる社会的認知の発達と障害に関する縦断研究

• 研究課題/領域番号: 23683015
• 研究種目: 若手研究(A)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 教育心理学
• 研究機関: 九州大学 (2013-2014); 大阪大学 (2011-2012)
• 研究代表者: 實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
• 研究期間 (年度): 2011-04-01 – 2015-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2014年度)
• 配分額: 25,220千円 (直接経費: 19,400千円、間接経費: 5,820千円); 2014年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2013年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2012年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2011年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
• キーワード: 社会的認知 / 乳幼児 / 縦断研究 / 自閉症 / 発達障害

研究成果の概要

本研究では、生後三年間における社会的認知発達について縦断的に検討した。得られた成果の一つは、身体模倣と他者意図理解との発達的関連である。他者意図理解を早く示す子どもの方が対象物を用いない身体模倣を早く示すようになるのかについて検討した。その結果、15ヶ月時点で他者意図をより理解していた群は、17ヶ月時点で身体模倣を多く示したが対象物模倣とは関連がなかった。身体模倣は、対象物模倣と異なって、意図理解能力が関連しているといえる。本知見から、理論で想定されてきた発達的関連性の一部について縦断的な検証結果が示された。自閉症における身体模倣の困難性及びその支援を考慮するうえでも意義がある。

研究成果

• [雑誌論文] Development of preference for conspecific faces in human infants (2014)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., Wada, K., Yamamoto, T., Mohri, I., & Taniike, M.
  • 雑誌名: Developmental Psychology 巻: 50 号: 4 ページ: 979-985
  • DOI: 10.1037/a0035205
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] The developmental trajectory of imitation in infants with autism spectrum disorders: A prospective study (2014)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., & Yamamoto, T.
  • 雑誌名: Psychology 巻: 5 号: 11 ページ: 1313-1320
  • DOI: 10.4236/psych.2014.511142
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 非合理的事象は幼児の誤信念理解を促進するか：自己の驚きを手がかりとした心的状態の推論 (2013)
  • 著者名/発表者名: 佐藤賢輔・実藤和佳子
  • 雑誌名: 発達心理学研究 巻: 24 ページ: 348-357
  • NAID: 130005100397
  • 査読あり
• [雑誌論文] Similar physical appearance affects friendship selection in preschoolers (2013)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W.
  • 雑誌名: Psychology 巻: 4 号: 06 ページ: 8-13
  • DOI: 10.4236/psych.2013.46a2002
  • 査読あり
• [雑誌論文] “Being-imitated” strategy at home-based intervention for young children with autism (2013)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., & Ohgami, H.
  • 雑誌名: Infant Mental Health Journal 巻: 34 号: 1 ページ: 72-79
  • DOI: 10.1002/imhj.21375
  • 査読あり
• [雑誌論文] Directing and maintaining infants’ attention in mother–infant interaction on infants with and without autism spectrum disorder (2013)
  • 著者名/発表者名: Shizawa, M., Sanefuji, W., & Mohri, I.
  • 雑誌名: Journal of Special Education Research 巻: 1 ページ: 3-10
  • 査読あり
• [雑誌論文] 子どもとのコミュニケーションから自閉症スペクトラムをみる (2012)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 雑誌名: 教育と医学 巻: 60 ページ: 30-37
• [雑誌論文] One-month-old infants show visual preference for human-like feature (2011)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., et al
  • 雑誌名: Letters on Evolutionary Behavioral Science 巻: 2 号: 1 ページ: 5-8
  • DOI: 10.5178/lebs.2011.10
  • 査読あり
• [雑誌論文] I first recognize myself by my face : Uneven self-understanding at four months of age (2011)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., Yamamoto, T., Mohri, I., Taniike, M.
  • 雑誌名: The Japanese Journal of Psychonomic Science 巻: 30 ページ: 143-144
• [学会発表] Children do not imitate all irrelevant actions (2015)
  • 著者名/発表者名: Taniguchi, Y., & Sanefuji, W.
  • 学会等名: International Symposium on Pedagogical Machines
  • 発表場所: The University of Tokyo（Meguro-ku, Tokyo）
  • 年月日: 2015-03-28 – 2015-03-29
• [学会発表] 身体動作模倣の発達を支える要因は何か：他者意図理解からの検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 学会等名: 九州心理学会第75回大会
  • 発表場所: 宮崎公立大学（宮崎県宮崎市）
  • 年月日: 2014-11-15 – 2014-11-16
• [学会発表] 誤信念理解への発達的経路を探る：幼児における物理的／心理的因果性の理解から (2014)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子・針生悦子
  • 学会等名: 日本発達心理学会第25回大会
  • 発表場所: 京都大学
• [学会発表] 自己と他者の“類似性”が拓く他者とのコミュニケーション：模倣の視点から (2014)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 学会等名: 日本発達心理学会第25回大会
  • 発表場所: 京都大学
• [学会発表] Development of social cognition in infancy: A longitudinal study (2013)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W.
  • 学会等名: The 24th Fukuoka International Symposium on Pediatric/Maternal-Child Health Research
  • 発表場所: Kyushu University
  • 招待講演
• [学会発表] The link between the effectiveness of ostensive cues and mother-infant relationship (2013)
  • 著者名/発表者名: Shizawa, M., Suwa, E., & Sanefuji, W.
  • 学会等名: The 16th European Conference on Developmental Psychology
  • 発表場所: Lausanne, Switzerland
• [学会発表] Irrational outcomes promote young children’s understanding of false beliefs (2013)
  • 著者名/発表者名: Sato, K., & Sanefuji, W.
  • 学会等名: The 16th European Conference on Developmental Psychology
  • 発表場所: Lausanne, Switzerland
• [学会発表] “Like me”―類似性選好が拓くこころの初期発達― (2013)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 学会等名: 日本心理学会第77回大会
  • 発表場所: 札幌コンベンションセンター
  • 招待講演
• [学会発表] 子どもとモノを介したやりとり成立まで―養育者の行動に着目した縦断的検討― (2013)
  • 著者名/発表者名: 志澤美保・実藤和佳子
  • 学会等名: 日本発達心理学会第24回大会
  • 発表場所: 明治学院大学（東京都）
• [学会発表] 乳児期における模倣発達の“個人差”―定型発達児と自閉症児の発達軌跡は異なるか― (2013)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子・山本知加・毛利育子・谷池雅子
  • 学会等名: 日本発達心理学会第24回大会
  • 発表場所: 明治学院大学（東京都）
• [学会発表] 身体模倣はなぜ対象物模倣より遅れるのか?-意図理解との関連から- (2012)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子・山本知加・毛利育子, 谷池雅子
  • 学会等名: 日本発達心理学会第23回大会
  • 発表場所: 名古屋国際会議場(愛知県)
  • 年月日: 2012-03-11
• [学会発表] What is promoted by imitation, what promotes imitation: Relation to understanding of other’s mental states (2012)
  • 著者名/発表者名: Sanefuji, W., Yamamoto T., Mohri, I., & Taniike, M.
  • 学会等名: 34th Annual Conference of the Cognitive Science Society
  • 発表場所: Sapporo Convention Center (Hokkaido)
• [学会発表] ベビーモープロジェクトの挑戦―他者の“こころ”はいつからどのように理解されるのか (2012)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 学会等名: 日本心理学会第76回大会
  • 発表場所: 専修大学（東京都）
• [学会発表] 母親の子どもの注意を向ける方略は言語発達によって異なるか―母親の明示的手がかりと子どもの応答から― (2012)
  • 著者名/発表者名: 志澤美保・実藤和佳子
  • 学会等名: 日本心理学会第76回大会
  • 発表場所: 専修大学（東京都）
• [学会発表] 母親はいかに子どもの注意を向け維持するのか―自閉症と定型発達、食事場面と遊び場面の比較検討 (2012)
  • 著者名/発表者名: 志澤美保・実藤和佳子・毛利育子
  • 学会等名: 日本特殊教育学会第50回大会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県）
• [学会発表] 自閉症乳児が示す共同注意の発達軌跡―定型発達乳児との比較― (2012)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子・山本知加・毛利育子・谷池雅子
  • 学会等名: 日本特殊教育学会第50回大会
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県）
• [学会発表] ヒト乳児における種の選好と弁別-Conspecificsは特別なのか? (2011)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子・和田和子・山本知加, 毛利育子・谷池雅子
  • 学会等名: 日本基礎心理学会第30回大会
  • 発表場所: 慶應義塾大学(東京都)
  • 年月日: 2011-12-04
• [図書] 赤ちゃん学を学ぶ人のために (2012)
  • 著者名/発表者名: 実藤和佳子
  • 出版者: 世界思想社