配分額 *注記 |
19,500千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 4,500千円)
2012年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2011年度: 10,790千円 (直接経費: 8,300千円、間接経費: 2,490千円)
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研究概要 |
本研究課題では,絶縁物の帯電及び二次電子放出の過渡解析法を開発して過渡現象を解明し,得られた技術・知見を産業界へ展開することを目的とする.そのために,独自に開発した半球型二次電子検出器をもとに短パルスイオン・電子照射による高精度時間発展二次電子収率計測並びに低ドーズ二次電子スペクトル計測システムを開発し,帯電に伴う二次電子放出過程の過渡解析による帯電・二次電子放出現象の解明を目指す.さらに汎用の二次電子収率測定用試料ホルダーを開発して実材料の二次電子収率測定法を確立することも目指す.これら目的のため本年度は,昨年度進めた現有イオン銃と駆動システムの改良によるイオンビーム照射の短パルス化について,中性粒子照射を抑制するための制御システムの構築と,イオンビームを安定して照射するためのガス導入システムの改良などを実施し,イオン銃開発を進めた.また,μ秒オーダーの高速での二次電子収率測定を実現するための測定システムの自動化を進め,収率並びに二次電子スペクトル測定システムをほぼ立ち上げた.またこれまでのイオンビームだけでなく電子線についても,現有する電子銃にブランカーシステムを組み込んでパルス化するための設計を開始した.あわせて,汎用装置で二次電子収率測定を行うための二次電子収率測定用傾斜試料ホルダーを試作し,企業の研究者と連携した収率測定を開始した.さらに,デバイスメーから提供を受けた実材料の二次電子収率の測定を進めるとともに,独自に絶縁膜を成膜するための蒸着システムの構築も進めた.絶縁膜試料の評価・分析に必要なスパッタ深さ分析や,分析中に起きる試料損傷についての検討も並行して進めた.
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