研究概要 |
本研究の目的はオペレーティングシステム(OS)カーネルのバグによる障害の影響を緩和して,その上で動作するサービスの可用性低下を抑えることにある.従来研究から得た知見を元に,カーネルダウンからの高速回復手法の確立を狙う.本手法を確立することで,バグによる障害が生じた際のサービスの可用性低下を抑えたり,代替機設置の管理・電力コストの軽減といったメリットが期待できる.本研究において,OSカーネルの障害から高速に復旧する機構を設計し,実際に実験を行って提案方式を定量的に評価した.その結果,復旧のためのダウンタイムを最大で約90%以上削減できることがわかった.加えて,Solid-StateDrive(SSD)を用いることでさらなる高速化が見込めること,ならびに本方式を拡張することでソフトウェアアップデートに伴うダウンタイムをも削減できること,GraphicProcessingUnit(GPU)を用いることで仮想マシン移送の高速化が見込めるという知見を得た.
|