研究課題/領域番号 |
23700526
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
カブラル オラシオ (CABRAL Horacio) 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (10533911)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2012年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2011年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ドラッグデリバリー / リンパ節転移 / 高分子型ミセル / 高分子ミセル / オキサリプラチン |
研究概要 |
本研究では白金錯体抗がん剤を内包する高分子ミセルを用いて初期段階のリンパ節転移に対する全身投与型のドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発した。B16-F10-Lucマウスメラノーマ細胞を用いて初期段階の腋窩リンパ節の転移がんモデルを樹立し、このモデルに対して(1,2-diaminocyclohexan)platinum(II)(DACHPt)とブロック共重合体PEG-block-poly(L-glutamicacid)(PEG-P(Glu))から調製されたDACHPtミセルを投与したところ、有意な抗腫瘍効果を示すことを確認した。さらに同ミセルのサイズ効果について検討しところ、70nmのミセルと比較して30nmのミセルがより腫瘍深部へと浸透し、腫瘍細胞の増殖を抑制することを見出した。このようなミセルのサイズ効果によるリンパ節転移の抑制は、これまでに報告例がなくDDSの研究分野にとって重要な発見である。また、同様の試みをスキルス性胃がんのリンパ節転移へ展開させたところ、上記と同じく30nmのミセルで高い抗腫瘍効果を示すことが明らかとなった。スキルス性胃がんならびにそれらの転移はこれまで治療が困難な腫瘍として知られているが、本発見はこれらのがんに対する新たな治療戦略を提示することになり、今後の更なる発展が期待されている。
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