研究概要 |
研究1では、高齢者の閉じこもりやうつ傾向をもたらす家族機能を測定する尺度を開発することを目的とした。予備調査では,福島県 A 市に在住する閉じこもり、うつ傾向に該当する二次予防事業対象者 10 人、同居家族 10 人を対象に、家族の日頃の関わり等について半構造化面接による訪問調査を実施した。 項目選を行った結果 14 項目を尺度試案とした。本調査では、東京都 B 区内在住の高齢者、およびその同居家族 1 人を調査対象とし郵送調査を実施した。調査内容は,尺度項目試案、閉じこもり、うつ傾向の有無、家族サポート等について尋ねた。分析の結果,6項目が抽出された。信頼性係数はα=0.59 であった。 尺度得点が高い群は閉じこもり、 およびうつ傾向が多く基準関連妥当性が確認された。また、尺度の得点が低いほど、家族からのソーシャル・サポート得点や神的健康度が高く、 交流している家族の人数も多いことから併存的妥当性が確認された。 本家族機能尺度が1年後の追跡調査の結果における閉じこもり、およびうつ傾向の発生との関連、およびその他要因との関連を検討した。以上の結果をもとに、家族に対する閉じこもり、うつ傾向高齢者への支援プログラムを作成した。
|