本研究の目的は、人間作業モデル(MOHO)を用いた健康増進プログラムが、地域で生活する健康な高齢者のQOLに与える効果を、ランダム化比較試験により明らかにすることである。実験群は、「興味」「役割」など、MOHO の構成要素の講義と演習を実施し、対照群は作業活動を実施した。介入前後にQOLの測定を実施した。統計的検定はt検定を用い、有意水準は5%とした。対象者は、実験群20名(69.4±4.27歳)、対照群22名(69.9±4.29歳)であり、有意差は見られなかった。他、ベースラインで統計的有意差は認められなかった。変化量の比較においては、SF-36の日常役割機能(精神)で、実験群(4.9±9.58)、 対 照群 (-1.9±10.71)と、実験群が有意に高い結果であった(p=.04)。
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