研究概要 |
新潟県中越地震は,内陸の活褶曲帯・逆断層帯で発生した.同地域で,活褶曲帯の長期(0~105年)傾斜変動量を定量化することを試みた.約2000地点の既存の地質構造の地質,走向,傾斜をGISに入力し,その分布の頻度分布を作成した.さらに活断層や地殻変動の変位基準となる河成段丘面と現河床を判読し,GIS上に分類図を作成した.GIS上で,河成段丘面の傾斜の向きと量を計測した.その結果,傾斜変動量の累積性が認められ,小千谷地点と堀之内地点では,傾斜変動量が高精度に見積もられた.活断層の変位に関しては,上下変動量が議論されがちであるが,傾斜変動量は活動性評価の有効な指標の一つである.
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