研究課題
若手研究(B)
本研究では、運慶やその関連作品が、霊験仏信仰と密接に関わっていたことを指摘した。霊験仏信仰とは特別の由緒を持ち、利益をもたらすと考えられた仏像への信仰である。運慶による造仏は単に芸術的に優れていただけではなく、霊験仏信仰と結びつくことにより、多大な影響を与えたことを明らかにした。具体的には、運慶による建久八年(1197)の京都・東寺講堂諸尊像の修理時の「仏舎利発見」について検討した。そしてこの修理で、運慶や運慶作品へ霊験性が付与されたことを指摘した。また建保七年(1216)の鎌倉・大倉薬師堂の運慶による造仏が、霊験説話と結び付き、後の鎌倉における造仏に多大な影響を与えたことなども解明した。
すべて 2014 2013 2012 2011 その他
すべて 学会発表 (2件) 図書 (12件)