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アメリカ黒人女性文学における「母性」の表象と政治的戦略

研究課題

研究課題/領域番号 23720153
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 英米・英語圏文学
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

戸田 由紀子  椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部・国際言語コミュニケーション学科, 准教授 (40367636)

研究期間 (年度) 2011 – 2012
研究課題ステータス 中途終了 (2011年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2013年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード黒人女性文学 / 母性 / ハーレム・ルネサンス / ドロシー・ウェスト / ジェシー・フォーセット / 「母性」
研究概要

本研究の目的は、20世紀初頭の黒人女性文学における「母性」の表象に着目し、その前後の時代の黒人女性文学における「母性」の表象と比較分析することによって、アメリカ黒人女性文学における「母性」の戦略の在り方を、その歴史的変遷を通して明確にすることである。24年度はハーレム・ルネサンス期における黒人女性作家の作品に焦点を当て、黒人女性や母性がどのように表象されているかをジェシー・フォーセット、ネラ・ラーセン、ドロシー・ウェストの作品を中心に考察を行った。これらハーレム・ルネサンス期の黒人女性作家の小説に描かれる黒人女性の表象の考察を通して、従順愚鈍なマミー、放埒なイゼベル、悲劇のムラータといった19世紀末に黒人女性に課せられたさまざまな因習的ステレオタイプにも、それを払拭するために用いられた当時の理想的な黒人女性像にも当てはまらない、複雑な黒人女性像を提示できることを明らかにした。23年度に考察したように、19世紀末には、高潔で愛情溢れる「啓蒙された母親」が重要な役割を果たすのだとフランシス・ハーバーら活動家によって主張され、Women's Club Movementを始めとした社会運動/組織を通してこのような黒人母性のイデオロギーが普及していた。20世紀初頭のハーレム・ルネサンスは男性主流の運動であったことは周知の通りであるが、高潔で母性的な黒人女性像は引き続きハーレム期の黒人男性リーダーや芸術家によって作品や活動を通して推奨、普及されていた。しかしハーレム期の黒人女性作家は、ハーレム期に推進されていた「真の黒人母性像」の型にはまるのではなく、黒人女性の暮らしにさまざまな制限のあった20世紀初頭で、自己矛盾し続け、家庭の閉塞感に抵抗しつつもそこから抜け出すことができない複雑な黒人女性を描き出している点において評価できる。またそれは母性を前面に押し出すことで政治的戦略として用いた19世紀末や、1970年代以降の現代黒人女性文学とは異なっており、本研究ではその重要性を明らかにした。

報告書

(2件)
  • 2011 実施状況報告書   実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] クレオの非成長物語-ドロシー・ウェストのThe Living Is Easy2013

    • 著者名/発表者名
      戸田由紀子
    • 雑誌名

      関西学院大学『英米文学』

    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 自伝的小説の先駆け黒人女性作家-ドロシー・ウェストの再評価2012

    • 著者名/発表者名
      戸田由紀子
    • 学会等名
      アメリカ文学会(中部支部大会)
    • 発表場所
      淑徳大学
    • 年月日
      2012-04-22
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [図書] 『バラク・オバマの言葉と文学―自伝が語る人種とアメリカ』の第4章「人種/階級/文化の狭間で―現代黒人文学とオバマの自伝」2011

    • 著者名/発表者名
      戸田由紀子
    • 総ページ数
      293
    • 出版者
      彩流社
    • 関連する報告書
      2011 実施状況報告書
  • [図書] 『異相の時空間―アメリカ文学とユートピア』の第3部「共和国の母」の理念と「母性」の戦略―トニ・モリスンの『ビラヴィド』と『マーシィー』2011

    • 著者名/発表者名
      戸田由紀子
    • 総ページ数
      349
    • 出版者
      英宝社
    • 関連する報告書
      2011 実施状況報告書

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公開日: 2011-08-05   更新日: 2019-07-29  

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