研究課題/領域番号 |
23720420
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高野 さやか 東京大学, 大学院・綜合文化研究科, 助教 (20586656)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2013年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 文化人類学 / インドネシア / 民族学 / 基礎法学 |
研究概要 |
司法制度の運用をめぐる理論的潮流では近年、法学の専門的知識を研ぎ澄ますだけではなく、いかに日常的な感覚を取り入れるかに関心が集まっている。しかしこの日常的な感覚がどのようなものなのかは明らかではない。これまでアジア・アフリカ諸国の司法制度についてはおもにその機能不全が問題視されてきたが、いわゆる「法の支配」の実現に向けた法整備と、それとは一見相反するかにみえる日常的感覚、市民感覚を生かそうとする動きが世界規模で進行していることによる変化は無視できない。司法制度の機能を考えるためには今後、この日常的感覚とはどのようなものなのか、そして逆に、法律家の専門知とはどのようなものなのかが問われることになるだろう。 本研究の目的は、法の領域における専門知と非専門知のありかたを、裁判所の民族誌的記述を通じて明らかにすることにある。民事分野におけるADR(裁判外紛争処理)や、刑事分野における修復的司法・裁判員制度など、法と社会をめぐる現状の理解には、社会学的・人類学的観点から法の機能する場を具体的に観察する本研究の視座がきわめて重要である。 このような背景から本研究では、慣習法研究の分厚い蓄積のあるインドネシアの地方裁判所を対象にして、司法関係者による法律実務への取り組みの実際を明らかにすることをめざす。既存の枠組みでは、ローカルなレベルにおける国家法の機能に対しては、汚職や腐敗といった問題を出発点としたアプローチがなされることが多いけれども、本研究はそうした状況を踏まえたうえで進められている、日常的な紛争処理のなかで彼らが直面している法律の条文間の解釈の余地や、刑罰の妥当性に関する感覚、証言の信ぴょう性といった問題と、それに対する対応に注目した。
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