研究課題/領域番号 |
23730175
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
国際関係論
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
熊谷 奈緒子 国際大学, 国際関係学研究科, 講師 (10598668)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2012年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2011年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | アジア女性基金 / 戦後補償 / 戦争責任 / 存在論的安 / 戦後責任 / 存在論的安心 / 個人補償 / 国際人道法 / 日本 / 従軍慰安婦従軍慰安婦従軍慰安婦 / 戦争犯罪 |
研究概要 |
この研究はアジア女性基金を戦争責任のディスコースの中で位置づけることで、戦後65年余りを経ても今だに争点となっている戦争責任の性質、果たし方という問題の根底に横たわる要素を明らかにした。その要素とは、保守派、リベラル双方がそれぞれに持つ日本国の概念を基盤とした存在論的安心(ontologicalsecurity)が硬直化しているため、有意義な議論が行われていないということである。具体的には当研究はアジア女性基金による元「慰安婦」への官民共同の道義補償事業への評価を対象とした。アジア女性基金の「官民」共同での「道義的」補償という考えが各派の拠って立つ存在論的安心を脅かすと各派が警戒したため、客観的歴史事実に基づく対話(基金の各派の対話)でさえ困難になり、終にはアジア女性基金の官民共同の道義的補償事業の意義についての国内での合意が不可能になり、それによりアジア女性基金の道義的補償の信頼性に対して一部の元「慰安婦」と彼女らの支援団体が疑念を持ち、補償を拒否するという事態になったことを明らかにした。この研究には2つの学問的貢献がある。第一に、官民共同での道義的補償という国内的にも国際的にも新しい形での補償を提示したアジア女性基金の研究という未だ初期段階にある研究対象を扱い、第二に、戦争責任論争を国際人道規範の内包化過程と位置づけることによって、日本の戦争責任の問題を国際関係の枠組みの中で、具体的にはコンストラクティヴィズムの中における存在論的安心の概念の役割を通じて明らかにした。
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