研究成果の概要 |
子どもの自己の発達は,学校教育でも目標の一つとされてきたが,それをいかなる方法・理論的枠組みでとらえうるのかの十分な議論はなされていない。本研究は,研究代表者が記号的媒介(Valsiner, 2007)の理論から構成した子どもの自己への理論的アプローチ(Presentational Self, Komatsu, 2010)の概念を精緻化しつつ,特に学校教育の中で子どもが示す様々な表現,例えば日記指導での子どもの表現や6年生の国語授業における自分自身の考えの表明から,いかに子どもの自己を見出せるかを質的に分析するとともに理論的に考察し,表現の中に子どもの固有性が明確になるプロセスを明らかにした。
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