研究課題/領域番号 |
23740235
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片山 浩一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, グローバルCOE研究員 (30423081)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2011年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ナノ材料 / 量子閉じ込め / 量子エレクトロニクス / プラズモニクス / マイクロ・ナノデバイス |
研究概要 |
原子間力顕微鏡の針先につけた金属微小球のプラズモンとInGaN薄膜中の局在励起子を結合させることで、発光強度の増大と空間分解能の向上が可能である。本研究ではこれを用いて低温下で単一の局在励起子の発光を取り出し、単一光子放出を観測することを平成23年度の目的とした。さらに平成24年度には、InGaN薄膜に真空蒸着により微小な金属の塊を作製し、この微小金属塊のプラズモンとの共鳴で単一光子放出源を作製することを目的とした。本補助事業は、研究代表者が平成24年1月31日を持って辞職し応募資格を失い廃止されるため、平成23年度途中までの研究成果を記載する。 本研究では、低温下で金属微小球のプラズモンとInGaN薄膜中の単独の局在励起子を結合させ、単一の光子放出を観測する予定であったが、実験装置故障のため低温下での実験遂行が不可能となった。そのため実験装置の修理と平行して、目的実現のため室温でのチップ増強発光のダイナミクスの測定を行った。 測定の結果、チップ増強効果が働いていない場合、発光のダイナミクスは多成分の指数関数減衰を示した。これに対してチップ増強効果による発光の増分は単一の指数関数減衰を示した。この単一指数関数減衰は励起強度の増大では説明ができない。なぜならばチップ増強効果が働いていない場合、励起強度の増大と共に発光のダイナミクスは多成分のままより早い減衰を示すからである。以上の結果はチップ増強効果の発現に輻射効率の上昇が寄与することを示唆している。本研究の目的である単一光子放出源の実現において、チップ増強法は、単一局在励起子の空間選択性の向上の面のみならず、輻射効率の上昇の面からも有効であることを示唆した。(16^<th> International Conference on Luminescence (ICL' 11)にて口頭発表にて報告。)
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