研究課題
若手研究(B)
擬二次元ルテニウム酸化物Sr2RuO4 はスピン三重項超伝導体であると考えられてきた。このためその超伝導状態はいわゆるd ベクトルで特徴付けることができると考えられている。本研究では、第一原理計算に基づく精密な電子構造に基づいて、この物質の超伝導対称性を解析した。その結果、ハバード模型に基づく先行研究の結果とは対照的に、スピン三重項p 波状態よりもむしろ一重項dx2-y2 波状態が安定になることを発見した。スピン三重項p 波状態については、Ru4d 軌道におけるスピン軌道相互作用を導入することによってd ベクトルの縮退を解き、その向きについてはRuO2 面に垂直なカイラル状態がもっとも安定になることを示すことができた。
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Journal of the Physical Society of Japan
巻: 81 号: 1 ページ: 11009-11009
10.1143/jpsj.81.011009