研究課題/領域番号 |
23740295
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
数理物理・物性基礎
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲垣 紫緒 京都大学, ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 研究員 (20452261)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2012年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2011年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 非平衡・非線形物理学 / 非平衡散逸系 / 粉粒体物理学 |
研究概要 |
大きさや形の異なる複数の種類の粉粒体を容器に入れ、機械的刺激によって擾乱を与えた際に誘起される分離現象(segregation)の時空間ダイナミクスについて実験と理論の両面から研究を行う。定常的機械刺激のもとで、粒子のサイズが10^-6~l0^-2[m]の間で変化すると、どのように相分離ダイナミクスが変わるのかを系統的に調べる。そのことにより、kBTの熱揺らぎのもとでの相転移や相分離現象との共通点と相違点を明確することが本研究の中心的な課題である。 水平に置いた円筒容器に大きさや形の異なる2種類の粒子を封入して回転させると、粒子の分離現象が観察される。この分離パターンの時空間ダイナミクスについて、実験と理論の両面から研究を行った。実験については、円筒容器を開閉式にし、サイズ分離した状態で容器を開けて粉体媒質の内部の分離の様子を直接観察できるようにする。軸周りの回転によって粒子は駆動されているが、軸に平行な向きへの自発的な流れがどのように誘起されるのかについて、特に着目して調べる。これまでの研究で、粉体媒質が円筒の内壁から受けるずり応力が、軸方向の対流に重要であることが示唆される結果を得ており、円筒内部のずり応力のかかり方を変えることによって、粉粒体の分離現象のメカニズムを究明していく。 その結果、予期した以上の成果が得られた。粉体媒質への新たなずり応力の与え方として、円筒の内側と外側からずりを与えるために、円筒容器を二重にして実験を行った。これまでの研究で、一重円筒の容器に2種類の粉粒体をほぼ完全に充填させて回転させた場合には、バンドが進行波として現れることが観察されていたが、今回は2重円筒の間にほぼ完全に粒子を充填して容器を回転させ、バンドが定常的に振動する時空間ダイナミクスを得るのに成功した。このような振動解は、回転ドラム系に限らず、粉粒体の分離現象において新規の発見であり、どのような条件で振動が起こるのか、今後さらに詳細を調べる予定である。
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