研究概要 |
GPS観測網を用い,南海トラフ下で将来起こる東海地震をはじめとした巨大地震の準備過程として,南海トラフ下で沈み込むフィリピン海スラブと上盤側プレートの固着の分布とその時間変化を捉える事を目標として研究を行った.本研究ではまずGPS観測網による地表変位データから共通ノイズ成分を除去する手法を確立し,その後十数日程度の短い期間での変位の差分からプレート境界のすべり分布を推定する手法を確立した.結果,南海トラフ下において,固着域のダウンディップ側で発生する深部低周波微動の活発化に同期した断層運動(短期スロースリップ)を高精度で検出することができた.更に浜名湖下と豊後水道で発生した長期スロースリップのすべり履歴や,固着域と思われる部分が一定の速度で引きずり込まれる様子も捉えることができた.
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