研究概要 |
本研究では,前期デボン紀における絶滅を伴った放散虫の変遷過程を明らかにすることを目的として,日本とモンゴルの珪質岩を対象に群集組成の変化と時間スケール,環境要因を検討した.その結果,前期デボン紀中頃と推定されるInaniguttidae科の衰退期には,生存期間の短い日和見種が現れ,その後に中期デボン紀以降繁栄するEntactiniidae科の卓越する群集に移行していくことが明らかになった.モンゴルのチャートの化学組成の検討から,この絶滅現象は,大規模火成活動に伴う環境変動と因果関係がある可能性がある.
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