研究概要 |
本研究では,テトラアルコキシフェナントレンが9,10位で縮環したデヒドロアヌレン誘導体を設計・合成し,それらの諸物性を詳細に検討した。種々のスペクトル測定と理論計算から,ベンゼン縮環に比べてフェナントレン縮環は,高いトロピシティーと小さなHOMO-LUMOギャップをもたらすことが明らかになった。デヒドロ[12]および[18]アヌレンは一次元超構造体を形成し,そのモルフォロジーと結晶性はアヌレン環のトポロジーとアルコキシ鎖長によって大きく異なることが分かった。また,長鎖アルコキシ基を有するデヒドロ[12]および[18]アヌレンが,相分離に伴って液晶相を示すことを見出した。
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