研究課題/領域番号 |
23750124
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
高分子化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河内 岳大 東京工業大学, フロンティア研究機構, 特任助教 (70447853)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2011年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 高分子合成 / 高分子構造・物性 / 超分子化学 / 分子認識 / 高分子錯体 |
研究概要 |
本研究は、合成高分子であるシンジオタクチックポリメタクリル酸メチル(st-PMMA)が形成するらせん構造の内孔に、[60]フラーレン(C_<60>)やピレンなどのゲスト分子が包接される現象を利用し、新規な機能性超分子集合体を構築することを目的としている。本年度は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)の分子鎖末端にC_<60>を導入し(PDMS-C_<60>)、この末端C_<60>とst-PMMAとの包接錯体形成を利用することで、高分子-高分子相互作用を制御し、新規な高分子集合体を構築することに成功した。PDMS-C_<60>は、片末端にOH基を有するPDMSから3段階で合成した。トルエン中でst-PMMAとPDMS-C_<60>が包接錯体を形成することは、UV-vis、サイズ排除クロマトグラフィー、X線測定により確認した。得られた包接錯体ゲルを減圧乾燥し、溶媒であるトルエンを除去しても巨視的な相分離は見られず、末端C_<60>とst-PMMAとの包接錯体形成が高分子鎖の相溶化に寄与していることが確認できた。 さらに、らせんの巻き方向が制御されたst-PMMAとピレン分子が形成する包接錯体において、ピレン分子の吸収領域に円二色性が観測されることを見出し、新規光学活性包接錯体の作成に成功するとともに、包接錯体形成機構に関する重要な知見を得た。st-PMMAを(R)-1-フェニルエチルアミン((R)-1)に加え、110℃に加熱して均一溶液とした後、室温まで徐冷することでst-PMMA/(R)-1ゲルを作成した。このゲルをトルエンによる洗浄で(R)-1を除去し、st-PMMA/トルエンゲルを得た。得られたゲルにピレン/トルエン溶液を加え、激しく撹拌することで分散液とし、これを石英セル上にキャストした。室温および160℃で減圧乾燥することで、st-PMMA/ピレン包接錯体フィルムを得た。このフィルムの円二色性スペクトルでは、ピレンがアキラル分子であるにも関わらず、ピレンの特性吸収領域に明瞭なCotton効果が観測された。これは、ピレン分子がらせんの巻き方向が制御されたst-PMMAに包接されたためと考えられる。以上の結果より、キラルアミンにより誘起されたst-PMMAのらせん構造は、(1)ゲルの洗浄操作によるキラルアミンからトルエンへの溶媒置換、(2)160℃の減圧乾燥によるトルエンからピレンへのゲスト分子の置換を行っても保持されることがわかった。
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