研究課題/領域番号 |
23750218
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安田 琢麿 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00401175)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 液晶半導体 / ドナー・アクセプター / ナノ構造 / 有機太陽電池 / ミクロ相分離 / ドナー‐アクセプター / 両極性電荷輸送 / 分子内電荷移動 / π共役 |
研究概要 |
有機太陽電池のドナー材料として、効率的な可視光吸収特性を有する新しい狭バンドギャップ液晶半導体を設計・合成した。これらの化合物は、分子内電荷移動構造に起因して、400~700 nm の領域に強い吸収帯を有することがわかった。溶液プロセスを用いて電子アクセプターであるフラーレン誘導体(PCBM)とのブレンド薄膜の作製を行い、液晶性の誘起が薄膜モルフォロジーおよびナノ秩序構造形成に及ぼす影響について、偏光顕微鏡観察、プローブ顕微鏡観察、および X 線回折測定等より多角的に調査を行った。その結果、液晶状態を構造形成に利用して作製したドナー・アクセプターブレンド薄膜においては、十分な表面平滑性を有するとともに、ナノ相分離構造に起因する高い秩序性・結晶性を保持していることが明らかになった。以上のことから、液晶半導体の特性を活用することで、有機太陽電池の構築に適した活性層構造を自己組織的に形成できることを示した。光電変換特性を評価した結果、約 1 V に迫る高い開放端電圧とともに、4%を超える高い電力変換効率を実現することができた。また、同様の化学構造を有する液晶性を発現しないドナー分子を用いた場合の光電変換特性は著しく低下することも明らかにした。液晶の自己組織化を用いた活性層構築手法により、デバイスの曲線因子および短絡光電流を大幅に向上できることを示し、本手法が有機薄膜太陽電池の構築に有用であることを明らかにすることができた。
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