研究課題/領域番号 |
23760249
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
知能機械学・機械システム
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
吉田 守夫 独立行政法人理化学研究所, その他部局等, 研究員 (20455372)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2012年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ロボットハンド / 数値シミュレーション / 転がり拘束 |
研究概要 |
ロボットハンドを使い我々の身の回りにある物体を把持し操作する制御方法を実現するためには、複雑な形状をした物体をコンピュータに取り込み、ダイナミクスに組み込める形状にフィッティングし、把持のダイナミクスに取り入れる方法によりモデリングする。そして、数値シミュレーションにより制御方法を評価し、実験機を用いてその制御方法の妥当性を評価する方法が考えられる。そこで、転がり拘束の影響下で、滑らかな形状を指先に有する1本指ロボットを用いて、重心位置が固定された滑らかな形状を有する3次元物体の不動化を検証するための数値シミュレーション方法を提案した。提案手法では、滑らかな曲面間の転がり運動を表すために、ロボットと物体との接触点に接ベクトルと法線ベクトル及びそれらの外積から得られるベクトルから構成される直交座標系を設置した。指先の転がり運動を考慮することにより、その直交座標系の更新則は、法曲率、測地的曲率、ロボットと物体の運動から構成することが出来る。法曲率は、ロボットと物体の幾何学情報を利用することにより決定する方法を用いる。測地的曲率の値は、ロボットの運動を考慮することにより決定する方法を用いる。数値シミュレーションを開始するために、指-物体のシステムの運動が生じた瞬間に、接触点に設置された直交座標系を構成する転がり運動方向を表す接ベクトルを、接触点の速度ベクトルを接平面に射影した方向を疑似的な接線ベクトルと仮定することで、運動が生じた瞬間の接線ベクトルとする方法を用いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度研究計画の「1本指ロボットによる物体の不動化」について、数値シミュレーション方法を提案した。不動化を実現する制御入力として、接触点情報を含むヤコビ行列を用いた方法を試みたが、今後は、取得することが困難な接触点情報は含まない指先中心情報に基づく制御入力を提案する必要がある。受動性に基づく安定性の証明に関しては、数値シミュレーション方法の提案と制御方法の提案に大幅に時間を取られているため、次年度の課題とする。同様に、研究計画の「滑らかな形状を持つ物体の姿勢制御」の制御方法及び安定性の証明に関しても、次年度の課題とする。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の場合に、複雑で滑らかな形状を持つ物体の形状を表現するためには、どのような表現方法が数値シミュレーションを実行する上で把持のダイナミクスと相性が良いのかを明確にしておくことが、研究を進める上で必要であることが明らかになってきた。その上で、再度、数値シミュレーション方法を提案する必要があるが、これまでの経験からかなりの時間を要することが予想されるので、残りの研究期間を考慮して、本研究課題の期間中に取り組むべきかを判断したい。制御入力は、"blind grasping"に基づいた制御法を拡張することにより、安定に把持することが可能な制御方法を提案する。提案する制御入力は、拇指対向に基づく位置に関する項とロボットの姿勢に基づく項とを重ね合わせることにより構成する。提案する制御入力の妥当性の検証のため、数値シミュレーションのモデルとして2~3本の指ロボットを使用する。安定把持が可能なことを数値シミュレーションにより確認した後、閉ループダイナミクスを導出し、受動性に基づく安定解析を試みる。同時に、滑らかな形状を持つ2次元物体把持の制御法の提案及び安定解析を試みる。
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次年度の研究費の使用計画 |
数値計算用高速コンピュータと数値解析用のアプリケーションの選定に時間を要し購入が遅れたため,平成23年度の未使用額が生じた.平成24年度の研究費の使用計画として,申請書に記載している平成24年度の研究費に,平成23年度に購入を予定していた数値計算用高速コンピュータと数値解析用アプリケーションを新たに追加する.
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