| 研究概要 |
本研究は,通信・計算機能を有する複数のスマートカメラによって構成されるビジュアルセンサネットワークにおいて,個々のカメラの分散処理と通信によってターゲットの運動を協調的に推定するスマートなネットワークの構築を目指すものである.まず,過去の研究において提案した受動性に基づく視覚オブザーバと受動性に基づく位置・姿勢同期制御を,受動性という共通のシステム理論によって融合し,NetworkedVisualMotionObserverなる分散協調視覚推定アルゴリズムを提案した.提案アルゴリズムは,ローカルな視覚情報による推定に視覚オブザーバを用い,近傍カメラからの推定値の集約に同期制御を用いる構成となっている.次に,分散最適化理論と同期制御の知見を活用し,提案アルゴリズムによる平均化性能を理論的に明らかにし,さらに対象の運動と平均化性能の関係性を明確化した.また,以上の成果の妥当性を検証するためのビジュアルセンサネットワークシステムを実際に構築し,有効性の主張を強固なものとした.さらに,個別センサの故障や可視性の制限が性能に与える影響を理論的に定量化し,そのような状況でも機能するように改良したシステムを構築した.
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