研究概要 |
燃料電池自動車用高圧水素貯蔵容器材料の実使用環境を想定して,「水素」と「予疲労変形」の影響を与えた7075アルミニウム合金の衝撃変形特性にっいて調査をった。変形応力(荷重)は,予疲労の影響はまったく見られなかった。しかし,延性(破断伸び,断面減少率)は予疲労の影響で低下した。さらに,湿潤環境下で予疲労を与えるとさらに低下が生じた。また,湿潤環境で予疲労を与えることで侵入した水素により晶出相周りで局所的に転位の生成,進展が促進され,局所的塑性変形場が発生することを明らかにした。この局所塑性変形が延性低下を誘起した原因であると考えられる。この結果,高圧水素貯蔵材料の安全性評価の指標として「水素」と「予疲労変形」の両影響を考慮する必要性が示唆された。
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