研究課題
若手研究(B)
細胞内自食作用であるオートファジーは、オートファゴソームという特殊なオルガネラを形成するダイナミックな膜の動態を示すが、その膜動態の制御メカニズムの詳細は未だ明らかになっていない部分が多い。本研究課題では、細胞内膜輸送を制御する低分子量Gタンパク質Rabとその不活性化因子であるRab-GAPに着目することで、オートファジーにおける膜動態制御の分子メカニズムを解明することを目的とした。実際には、オートファゴソームへの局在を指標にしたRab-GAPの網羅的なスクリーニングの結果得られた候補、OATL1/TBC1D25,TBC1D2B,TBC1D11のオートファジーにおける役割の同定を試みた。3者ともオートファゴソーム局在タンパク質であるLC3と結合することを見いだし、TBC1D2BにおいてはLC3との結合に必須なアミノ酸を同定した。先行して研究を進めていたOATL1は過剰発現においてオートファゴソームの成熟過程であるオートファゴソームとリソソームの融合を阻害したため同様の表現型を期待したが、他のRab-GAPでは過剰発現のオートファジーへの影響は見られなかった。現在までの結果は、当初期待してたRab-GAPのオートファジーへの関与を明らかにするものではなかったが、逆にLC3ファミリータンパク質がRab不活性化因子の膜局在の足場になることで膜輸送に関与するというLC3ファミリータンパク質のオートファジー以外の機能を明らかにする足がかりになるものだと考えている。
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