研究課題
若手研究(B)
/s/構音は音韻の獲得においても遅延が生じやすい音素である。本研究では、/s/発音シミュレータを構築し、これを用いて、/s/発音時に気道内の上顎前歯の上流付近で流速が高まることにより、流れが乱流となることを確かめた。さらに舌先端の位置が気道内の流れを変化させ、上顎前方部と舌先端の気道の高さと断面積の間にある二乗関係が、流速の非線形な高まりとレイノルズ数の上昇を決定付けていることが示唆された。舌先端の上下動により非線形な流れの変化が生じ、それにより空力音が発生すると考えられた。結果より、/s/を含む音韻の構音を実現出来た要因の一つに、舌下神経の発達等から微細な舌先端の運動制御の獲得が挙げられた。
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