研究課題/領域番号 |
23780031
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
園芸学・造園学
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
宮沢 佳恵 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 東北農業研究センター・環境保全型農業研究領域, 主任研究員 (40370613)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2013
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2013年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | クエン酸 / 定植 / 乾燥ストレス / キャベツ / リン酸 |
研究概要 |
本研究は、定植前の苗にクエン酸を施用することで、乾燥ダメージが抑えられる現象について、そのメカニズムの解明と実用化をはかるものである。応募時点では、その効果の程度やメカニズムについてほとんど分かっていなかったが、その後の研究の進展により、クエン酸施用の処理により1)NaClを添加した液肥等を与える「塩締め馴化法」と同程度の効果があること、2)「塩締め馴化法」による乾燥ダメージ軽減のメカニズムとは異なり、蒸散速度が低下する現象は認められないこと、3)苗のリン酸濃度が高まること、等を確認した。これらについて、2報の論文として発表した。 また、メカニズムの一つとして抗酸化成分の増加が関与している可能性が推測された。乾燥ストレスによる苗のダメージは、酸化ストレス(乾燥により気孔が閉鎖して光合成速度が低下。光エネルギーが消費できず過剰となり活性酸素分子種が生成)が大きな要因と考えられる。短時間の根への酸性処理下での転写プロファイルが、酸化ストレス処理によるものと類似していることを示すデータや、根への様々な刺激により植物体内での抗酸化成分の増加が確認され、酸化ストレス耐性が付加されることが報告された。したがって、クエン酸施用の効果は、急激な根の酸性条件に対する植物側の抗酸化成分の増加が関わっている可能性がある。酸化ストレスの緩和がメカニズムのひとつとして確認されれば、本研究の技術を乾燥条件以外の酸化ストレスに対しても利用できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
育児休業、体調不良による長期休養のため予算の執行を伴う試験を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、当初平成23年度に予定していた試験を実施する。クエン酸のメカニズムのひとつとして強光条件での酸化ストレスの緩和が貢献している可能性が大きいことが推測されたため、その点についての試験を追加する。具体的には、クエン酸やその他の酸性溶液の施用による、抗酸化成分の増減を測定する。また、強光条件が定植時の乾燥ストレスに大きく影響を与えている可能性が大きいことから、強光人工気象室での試験を追加する。当職場内には強光人工気象室の設備がないため、出張試験を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度の研究費を次年度の研究費として物品費・旅費に使用する。なお、今年度購入予定であった水ポテンシャル測定装置は、研究の進展により、蒸散速度への影響がほとんどないことが分かったことから、購入を中止する。それに代わり、抗酸化成分の測定用のキット、及び強光人工気象室使用のための出張試験が必要となったため、それらの経費として使用する。
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