研究課題
若手研究(B)
枯草菌の胞子の表面に任意のタンパク質を提示することにより、胞子をタンパク質提示粒子として利用するシステムを開発するため、枯草菌胞子の表面に露出しているタンパク質を解析した。私は、タンパク質が胞子のどの程度深い位置に局在しているのかを蛍光顕微鏡を用いて解析する方法を開発した(Imamura et al. 2010. J. Bacteriol. 192:518-524)。そこでこの方法を用いて、様々な胞子タンパク質の位置を解析した結果、CgeAとCotZの2つのタンパク質は、これまで知られていた層よりも明らかに外側に存在しており、未知の最外層(クラスト)を構成していることを発見した(Imamura et al. 2010. J. Bacteriol. 193:4075-4080)。さらに、免疫蛍光顕微鏡観察によって、枯草菌胞子の表面に露出しているタンパク質を解析したところ、CgeAとCotZは実際に胞子の表面に露出していることが明らかになった。また、CotZと相同性の高いCotYタンパク質もCotZと同様にクラストに局在しており、胞子の表面に露出していることが分かった(Imamura. 2012. Yakugaku Zasshi 132:919-924)。さらに、クラストを構成するタンパク質のネットワークについても解析した。本研究によって、枯草菌胞子の最も外側を構成するクラスト層を発見し、クラストに局在しているタンパク質が特定されたため、これらのタンパク質が、枯草菌胞子に外来タンパク質を提示するシステムにおける最適なタンパク質であることが明らかになった。
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Yakugaku Zasshi
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