配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2012年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2011年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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研究概要 |
リンホシスチス病は,ヒラメ養殖に甚大な被害をもたらしている.本病は最も古くから知られている魚類ウイルス病にも関わらず,その発症機構については不明な点が多い.本研究では,ヒラメにリンホシスチスウイルス(LCDV)を実験感染し,宿主魚類の遺伝子発現変化を経時的に調べ本症の発生機構を考察した.ウイルス感染後0,1,3,7,14,21,28,42および56日目(dpi)にそれぞれの区から5個体ずつ実験魚をサンプリングした.ヒラメの遺伝子発現量変化は,マイクロアレイ実験で調べた.その結果,28dpiまでは,ほとんどの遺伝子で発現量変化は認められなかった.しかしながら,42dpiでは,900個以上の遺伝子において発現量変化が観察された.これらのほとんどは発現が抑制されており,特にアポトーシス誘導および細胞周期調節に関連する遺伝子群の発現が抑制されていた.本研究で得られた遺伝子発現変化は,DNA腫瘍ウイルスに感染した宿主のものと酷似していたことから,リンホシスチス細胞の形成は腫瘍形成と類似した機構によるものと考えられた.
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