研究課題
若手研究(B)
東京湾において再生産時期が異なるが資源量が同調的に減少したシャコとマコガレイについて、生活史初期の生残に影響する要因を調査した。野外調査の結果、貧酸素水塊が稚シャコの着底阻害および空間分布の制限を引き起こし、当歳の個体数密度の減少に寄与している可能性が示された。マコガレイでは、産卵から浮遊仔魚までの生活史段階において冬の水温が高い年に仔稚魚の個体数密度が低いことが認められた。以上の結果から、再生産時期が夏のシャコと冬のマコガレイにおいては生活史初期の生残に影響する因子が異なることが明らかとなり、両魚種の資源量に現在回復がみられないことについてのメカニズムが異なることが示唆された。
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