研究課題
若手研究(B)
Plinabulinは、当研究室で創製されたジケトピペラジン骨格を有する強力な微小管作用薬である。本化合物は抗がん剤として米国などで臨床試験が進行中の医薬品候補化台物であるが、標的タンパク質であるチューブリンへの結合様式については未だ明らかではない。結合様式を明らかにできれば分子認識に基づいた理論的なplinnabulin類縁体の創薬研究が展開できる。そこで我々は、plinabulinの結合様式を解明することを目的として、plirabulinのケミカルプローブを合成し、光親和性標識の手法を用いて結合様式の解析を行うことにした。本研究課題であるケミカルバイオロジー研究を効果的に進めるためには、その土台となるplinnabulinの創薬化学的プロファイル(構造活性相関や生物活性)を把握しておくことが重要である。このことから、本年度も、plinabulinの構造活性相関研究を並行して進めた。具体的には、ベンゾフェノン構造を有するplinabulin誘導体の構造活性相関研究を行った。その結果、活性を維持できる置換部位としてはベンゾフェノンの4位が寛容であることや、活性がより向上した4-フルオロベンゾフェノン誘導体を見出した(Y. Yamazaki et al. Bioorg. Med. Chem. 2012, 20, 4279-4289)。さらに、ベンゾフェノン4位を中心に、化学修飾可能な水酸基を導入した誘導体の合成に取り組んだまた、結合様式解析のためのケミカルバイオロジー研究については、アルキン構造を有するケミカルプローブを合成し、光標識とクリック反応の進行が確認できたことから、質量分析に供すことを目的とした、アビジンビーズによる光標識チューブリンの精製濃階それに続く酵素消化の条件検討を試みた。
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