研究課題
若手研究(B)
部分腎摘術により作成したCKDモデルラットの大動脈組織では、腎機能の低下に相関して、血中ADMA濃度と大動脈組織におけるACE活性が上昇し、内皮機能低下と炎症反応の亢進が認められた。培養血管内皮細胞にADMAを負荷するとsuperoxide産生が増加するが、ACE阻害薬併用により抑制され、心腎連関の機序の一つに、ADMA上昇によるrenin-angiotensin系を介したsuperoxide産生が寄与していることが示された。また、造血を起さない低用量のerythropoietinを糖尿病ラットやCKDモデルラットに慢性投与すると大動脈障害が抑制され、その機序にはAkt経路を介したNO産生が重要な役割を担っていることが示唆された。さらにNO合成酵素阻害剤を負荷したラットにおいてもerythropoietinは血管保護効果を発揮し、その機序にはCu/Zn-SODやhemeoxygenase-1などの抗酸化酵素の発現増大が関与していた。さらにもう一つの機序として、JAK2/STAT5経路活性化により産生された抑制性タンパク質SOCS-1がNADPHoxidase活性を介したsuperoxide産生を抑制していることが示唆された。本研究はCKDの病態時における心腎連関の機序の一部を解明し、さらに心腎連関の抑制を考慮したCKD治療薬としてのerythropoietinの有用性を示すものである。
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