研究課題/領域番号 |
23790836
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
東邦 康智 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10586481)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2012年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2011年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 心血管病 / 酸化ストレス / 血管新生 / 炎症 / 膜輸送蛋白 / 心肥大 / 血管内皮細胞 / グルタチオン / 動脈硬化 / 分子心臓病態学 |
研究概要 |
心疾患におけるABCトランスポーターABCG2の役割について、マウスの圧負荷心肥大モデルを用いて検討を行った。ABCG2ノックアウトマウス(KOマウス)では、圧負荷後の心肥大及び心リモデリングの増悪を認めた他、圧負荷後早期の心組織における酸化ストレスの増悪を認めた。圧負荷後のKOマウスにおける表現型は、抗酸化剤の投与により野生型マウスと同等にまで改善した。遺伝子発現パターンの解析から、圧負荷後のKOマウスでは酸化ストレス応答系が障害されていることが示唆された。実際、細胞実験にて、ABCG2が微小血管内皮細胞からの内因性抗酸化物質であるグルタチオンの輸送を制御していることが分かった。以上から、心臓における酸化ストレス応答には微小血管内皮細胞が重要な役割を果たしており、その機能を制御しているABCG2が心肥大の新たな治療標的となりうることが示唆された。また、血管病におけるABCG2の役割について、マウスの下肢虚血モデル、ワイヤー障害モデル、カフ留置モデルを用いて検討を行った。マウスの下肢虚血モデルでは、血管新生において野生型マウスとKOマウスとの間に差を認めなかった。しかし、ワイヤー障害モデルやカフ留置モデルでは、野生型マウスと比較してKOマウスで動脈硬化が抑制された。そのメカニズムに関しては、今後の検討を要する。以上の結果から、ABCG2は心臓及び血管における病的刺激に対する応答に重要な役割を果たしており、心血管病の病態生理に深く関与していることが分かった。
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