研究課題/領域番号 |
23790891
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
奥村 俊介 旭川医科大学, 医学部, 助教 (10516339)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2012年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2011年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | lung cancer / Nampt / EGFR / EGFR-gene mutation |
研究概要 |
計画した研究目的・計画に則って、(1)肺癌のNampt阻害による腫瘍増殖抑制効果の検証と、(2)Nampt阻害による腫瘍増殖抑制効果の作用機序の検証を行った。 まず、RT-PCRを用いた実験で、肺癌細胞では正常細胞に比べてNampt mRNAの発現量が高いことがわかった。次に、数種の肺癌細胞株を用いてNampt阻害薬の抗腫瘍効果を評価したところ、EGFR遺伝子変異を有する細胞株で、高い抗腫瘍効果が確認された。さらに、EGFR阻害薬に耐性のEGFR遺伝子変異をもつ肺癌細胞株でも、高い抗腫瘍効果が認められた。 次に、肺癌細胞内の増殖シグナル活性の変化を比較したところ、Nampt阻害によって、肺癌の生存・増殖に関わるEGFR系のシグナルが抑制されることが明らかとなった。さらに、Nampt阻害薬の投与で、これら肺癌細胞株にアポトーシスが誘導されることを確認した。 肺癌における変異EGFRは、細胞増殖の際に細胞内のATPを多量に取り込むことが知られている。一方、Namptは細胞内ATPの生合成に寄与するという報告があるため、Nampt阻害による肺癌細胞内ATPの合成阻害が、抗腫瘍効果の作用機序ではないかと考えられた。ATPアッセイを行ってこれを検証したところ、Nampt阻害により肺癌細胞内のATP濃度が減少することがわかった。 マウスを用いたIn vivo実験でも、in vitro実験と同様にNampt阻害剤による移植肺癌の増殖抑制効果が確認された。また、Nampt阻害剤を投与した移植腫瘍で免疫染色を行ったところ、EGFRの下流シグナルの活性が抑制されていることが明らかとなった。 本研究により、肺癌細胞のNamptを阻害すると、(1)細胞内ATP合成能が低下し、(2)EGFRシグナル活性が抑制され、(3)細胞増殖抑制効果・アポトーシスが誘導されることが明らかとなった。以上の一連の研究・検証は、国内外でも初めての試みであり、肺癌の新たな治療ターゲットの確立に寄与する可能性が示唆された。我々はこの成果を国際学会で発表し、英論文として世界に公表した。
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