研究概要 |
TGF-beta1は糖尿病性腎症および巣状糸球体硬化症の進行に寄与していると考えられている。また,転写因子Wilmstumorsuppressorgene(WT1)は,正常糸球体上皮細胞の正常機能維持に必要なことが知られている。我々は,TGF-beta1が,培養ヒト糸球体上皮細胞,及び,マウス腎の糸球体上皮細胞におけるWT1の発現を減少させることを発見した。培養ヒト糸球体上皮細胞を用いた研究により,1)TGF-beta1は,部分的にはSmad4を介してWT1を減弱させること,2)TGF-beta1は,WT1プロモーターのメチル化を促進すること,を見出した。TGF-beta1が,これら複数の機序を介してWT1の発現を減弱させることにより,糸球体上皮細胞障害を引き起こすことが示唆された。
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