研究概要 |
本研究の全体構想は,透析患者の最も深刻な合併症である二次性副甲状腺機能亢進症に対する治療戦略について,医学的・経済的観点から最も適切な治療方針を確立することである。重度の二次征服甲状腺機能亢進症におけるシナカルセト塩酸塩の費用対効果に関する検討では,シナカルセト塩酸塩は副甲状腺摘出術が実施不可能な状況においてのみ費用対効果に優れることが明らかとなった(Komaba H et al. Am J Kidney Dis 60: 262-271, 2012)。99m_Tc-MIBIシンチグラフィに関する検討では,持続性・再発性副甲状腺機能亢進症の術前に本検査を行うことは費用対効果の観点から妥当であることが明らかとなった(2012年5月49th ERA-EDTA Congress, Parisで発表)。さらに我々は,2,292 名の透析患者を対象に後向きにカルテ調査を行い,新たなリン吸着薬である炭酸ランタンの使用が生命予後の改善に関連していることを明らかにした(2012年5月50th ERA-EDTA Congress, Istanbulで発表)。
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