研究課題
若手研究(B)
若年性骨髄単球性白血病(JMML)24例を対象にしたSNPアレイを用いた網羅的な遺伝子コピー数解析の結果、11q23領域に片親性ダイソミーを見出し、この領域内にあるCBL遺伝子変異を同定した。CBL変異陽性例はPTPN11等の既知の遺伝子変異を認めず、CBLは新たな責任遺伝子と考えられた。また、RUNX1変異を有する家族性血小板異常症で慢性骨髄単球性白血病(CMML)を発症した1女児例で、GMML発症後の検体のみからCBL遺伝子変異を同定し、RUNX1変異に付加的な異常を初めて報告した。さらに、乳児急性リンパ性白血病、治療関連白血病においてもCBL遺伝子のミスセンス変異を同定し、リンパ性白血病でのCBL遺伝子変異の報告は初であり、乳児白血病の病因解明に寄与すると考えられた。また、小児急性骨髄性白血病(AML)の臨床試験であるAML99プロトコールに登録された124例で、NUP98-NSD1遺伝子再構成を6例(4.8%)に見出し、有意に予後不良(4年全生存率;33%)であることを突き止めた。NUP98-NSD1は現在準備中の次期AML-12プロトコールに予後不良因子として採用が決まっている。さらに、先に実施したマイクロアレイを用いた遺伝子発現アレイ解析の結果とあわせて検討を行ったところ、NUP98-NSD1遺伝子再構成6例は特徴的な遺伝子発現パターンを示し、NUP98-NSD1遺伝子再構成陰性例中18例で、この6列と同様の発現パターンを示すことを見出し、この一群(NUP98-NSD1 signature群)の予後もNUP98-NSD1遺伝子再構成例同様不良であった(4年全生存率;37.5%)。最終年度は、次世代シークエンサーを用いた小児AML24例の遺伝子解析を行い、複数の新規発症候補遺伝子を同定した。現在、小児AML192例においてその頻度および臨床的な意義を解析中である。
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