• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

アンジェルマン症候群モデルマウスにおける小脳機能障害の電気生理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 23791166
研究種目

若手研究(B)

配分区分基金
研究分野 小児科学
研究機関浜松医科大学

研究代表者

江川 潔  浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (40450829)

研究期間 (年度) 2011
研究課題ステータス 中途終了 (2011年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
キーワードアンジェルマン症候群 / GABA作動性抑制 / 小脳失調
研究概要

ASにおける小脳機能障害メカニズムの解明を目的として、母性Ube3a欠失マウス(以下ASマウス)小脳急性スライスを用いた電気生理学的検討を行った。予備実験において、抑制性シナプスの抑制力を規定するクロライドトランスポーターKCC2の発現が増大していたことから、小脳顆粒細胞プルキンエ細胞におけるGABAシグナルの抑制力を検討したが、優位な差を認めなかった。しかしながら、シナプス外GABA_A受容体を介する持続抑制(tonic inhibition)を検討したところ、ASモデルマウスでtonic inhibitionが約1/3に低下していることが明らかになった。薬理学的検討,および免疫生化学的検討から、tonic inhibition低下の原因として、シナプス間隙よりGABAの再取り込みを担うGABA transporter 1 (GAT1)の機能亢進がtonic inhibition減少の原因であること、さらにGAT1とUBE3AのHEK細胞における強制発現系および小脳ライセートを用いたdegradation asseyによる検討から、GAT1がUBE3Aのsbstrate存在することを明らかにした。シナプス外GABA_A受容体選択的アゴニストTHIPの投与により、ASの小脳機能不全がin vitro, in vivoともに改善されたことから、GAT1 degradationの機能不全によりGABA抑制,特にtonic inhibitionの低下がAS小脳機能障害のメカニズムとして重要であることが明らかになった。
本研究の成果として、これまでまったくメカニズムが不明であったASの小脳機能障害について解明をおこない、全く新しい治療戦略の可能性を提示した。小脳顆粒細胞のtonic inhibitionが、病態生理として意味をもつことを疾患モデルマウスとして初めて示した。更にGABA抑制機能の調節因子として注目されるGAT1の分解,ターンオーバーについて新たな知見を加えるとともに、GABA抑制系にかかわる膜蛋白がコビキチン-プロテアソーム系により機能制御をうけることを初めて示し、新たなシナプス可塑の形を提示することで、臨床医学のみならず、基礎神経科学の分野にも一定の貢献を与えるものとなった。

報告書

(1件)
  • 2011 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Impairment of tonic inhibition in cerebellum granule cells causes cerebellum dysfunction in Ube3a maternal-deficient mice2011

    • 著者名/発表者名
      江川潔
    • 学会等名
      Neuroscience 2011
    • 発表場所
      アメリカ合衆国ワシントン
    • 年月日
      2011-11-15
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書
  • [学会発表] Ube3a機能欠失マウス(アンジェルマン症候群モデルマウス)におけるGABA作動性抑制機能障害の検討2011

    • 著者名/発表者名
      江川潔
    • 学会等名
      第34回日本神経科学大会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2011-09-16
    • 関連する報告書
      2011 実績報告書

URL: 

公開日: 2011-08-05   更新日: 2019-07-29  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi