研究課題/領域番号 |
23791169
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大嶋 宏一 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (60525377)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
中途終了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2013年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2012年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2011年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細網異形成症 / Adenylate kinase2 / Adenylate kinase 2 |
研究概要 |
本年度は、昨年度に樹立した2名の細網異形成症患者由来のiPS細胞を用いて、Tリンパ球の分化系を構築し、患者ではCD5+CD7+の段階で成熟が停止していることを見いだした。また患者由来のiPS細胞では、CD34+KDR+という血球分化の早期の段階の前駆細胞は減少せず、CD34+CD43+という後の段階で著しく減少しており、CD34+KDR+細胞を用いた造血コロニーアッセイでも著しい造血能低下を確認できた。一方、原因遺伝子であるAK2を患者細胞に強制発現させると上記の造血能低下は回復した。AK2がミトコンドリアに局在していること、代謝に関連していることから、患者由来のiPS細胞およびiPS細胞から分化させた血球でミトコンドリアの形態および機能評価、そして代謝について調べた。その結果、iPS細胞および分化した血球前駆細胞の両方で、AK2を欠損している場合、ミトコンドリアが小さく、未熟な形態をとっていた。また、蛍光共鳴エネルギー移動 (fluorescent resonance energy transfer, FRET)を応用した分子プローブを用いて、ミトコンドリア、核および細胞質内のATPレベルを評価したところ、iPS細胞由来の血球前駆細胞の細胞質ではAK2の有無で顕著な差は認めなかったが、AK2を欠損している場合ミトコンドリアのATPレベルが上昇し、核では低下していることが突き止められた。つまり、AK2が欠損しているとミトコンドリアで合成されたATPが効率よくミトコンドリア外へ運搬されず、エネルギー消費が大きい細胞内器官である核へのATP運搬が損なわれていると考えられた。本研究によって、これまで不明であった病態の多くが解明され、ヒトにおけるAK2の新たな機能が明らかになっただけでなく、ヒトの血球分化におけるエネルギー代謝の重要性を初めて示すことができた。現在、論文執筆中である。
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